« OSN145照葉と萬龍 | トップページ | ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 »

2020.06.01

OSN146岡田夫人(萬龍)年表

Manryun このブログでは岡田信一郎をテーマにあれこれ書いている。夫人の静(もと赤坂芸妓の萬龍)のことも逸する訳にはいかないのだが、80年の生涯のうち、岡田とともに過ごしたのは16年ほどしかない。一方、夫人についてはまだ不明な部分が多く、うっかりすると岡田に直接関係のない話が延々続くことになりかねない。

概要はWikipedia「萬龍」と、以下の年表を見てもらうとして、岡田信一郎との関わりについては別の記事で書くことにしたい。(年齢は数え年)

事 項
1894 M27 1 7月、田向初太郎と濱の間に生れる *1
1900 M33 7 赤坂の芸妓屋・春本に預けられる *2
女将・蛭間そめの養女になる
1901 M34 8 4月、小学校入学か(徳川夢声(本名 福原駿雄)は自伝で赤坂小の同窓だと書いている)
1903 M36 10 この頃、お酌(半玉)に出る *3
1905 M38 12 文芸倶楽部」11月1日号口絵に掲載
1906 M39 13 長島隆二がイギリス留学から帰国、(この年)大蔵省の宴会で半玉時代の萬龍に会うという 
1907 M40 14 この頃、芸妓としてお披露目
1908 M41 15 「文芸倶楽部」の美人投票で第1位(3月1日号)
1909 M42 16 2月「萬龍物語」連載(小野賢一郎
1910 M43 17 8月、箱根大洪水、恒川陽一郎に助けられる *4
秋、三越呉服店のポスターに登場
この年「間がいいソング」流行(酒は正宗、芸者は萬龍)
1911 M44 18 7月、新橋芸妓・照葉が初披露目の席で萬龍に会うという
1913 T2 20 3月、春本を出て、恒川のもとへ身を寄せる、後に結婚
1914 T3 21 7月、恒川が法科大学卒業
11月、恒川の自伝的小説『旧道』を刊行
1915 T4 22 1月頃、恒川が出版社「耕文社」を創業
1916 T5 23 8月、恒川急逝し、岡田信一郎は葬儀で友人総代を務める
11月、野元北馬編『萬龍未来記』刊行
1917 T6 24 6月、岡田信一郎との結婚話が報道される
8月、内祝言を挙げる、笹川臨風が仲人
1919 T8 26 牛込区神楽町に転居
1923 T12 30 2月、民事裁判で夫の代わりに証言(自宅の前所有者が被告になったため)
鎌倉に別荘を建設(この年、関東大震災)
1924 T13 31 11月、夫婦で京都・奈良などを旅行
翌年の「中央公論」に岡田信一郎の紀行文掲載
1925 T14 32 11月、夫、いち(姑)とともに大森の徳富蘇峰宅を訪問
1928 S3 35 熱海に岡田静名義で土地を取得
1932 S7 39 4月、岡田信一郎が逝去
9月、谷崎潤一郎「青春物語」に恒川夫妻の回想を記す
1933 S8 40 豊島区巣鴨(大和郷)に移り、姑・いちと住む
1934 S9 41 鎌倉の別荘を処分
1943 S18 50 熱海の別荘を処分
10月、姑・いちが逝去
1945 S20 52 栗橋(?)に疎開
巣鴨の自宅が戦災にあう
1948 S23 55 5月、遠州流家元夫妻とともに孤篷庵の遠州忌に出席(このとき祇王寺の高岡智照(元の照葉)を訪ねる?)
1954 S29 61 世田谷区(等々力)に移り、妹と住む
1955 S30 62 5月、福田清人の訪問を受ける
「講談倶楽部」7月号に福田の記事掲載
1961 S36 68 横浜市(上大岡)に移り、妹と住む
1962 S37 69 遠州流家元・小堀宗明が逝去
1963 S38 70 2月、吉屋信子が朝日新聞に静の消息を書く
1964 S39 71 1月頃、吉屋信子邸を訪問、芸妓時代の話をする
「文芸春秋」3月号に吉屋の記事掲載
1968 S43 75 東京松風研究会会長から、遠州流中央支部顧問になる
      茶道界を引退 *5
1973 S48 80 12月、逝去
護国寺の岡田家墓所に眠る



*1「田向」は、たむこう? たむき?…。名は「静子」とされることも多いが、「静」(しず)が正しいと思う。
*2 春本の養女になったのは8歳という説もある。いずれにしても小学校入学前後である。
*3 松崎天民『人間世間』(1915年)に「十歳の春から半玉に出て、思へば夢の様な十年間」とある(ただし「文芸倶楽部の美人投票が十二歳の時」とあるのは誤り)。
*4 箱根洪水のときのエピソード:当時の新聞や小説(小山内薫「梅龍の話」)等は、大学生の恒川陽一郎に助けられた、としているが、戦後に聞き取りをした福田は、実際は父親の恒川柳作が助けたと記している(吉屋信子も同じ)。
*5 戦後は高岩寺(とげぬき地蔵)や竹中工務店で茶道の出稽古をしていたという。

|

« OSN145照葉と萬龍 | トップページ | ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« OSN145照葉と萬龍 | トップページ | ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 »