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2018年3月の5件の記事

2018.03.28

常盤台

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ドラマ「海月姫」のロケ地がある常盤台(板橋区)へ行ってみました。主人公たちが住む天水館、という設定の洋館は昭和10年代に建てられた住宅で、現在はスタジオ(ときわ台スタジオ)になっています。
公式サイト

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こんな駅近くでよくぞ残っているもの。
近くの図書館で資料を探すと、『常盤台住宅物語』(1999年)の記事から、昭和13年に建売住宅として販売されたものとわかりました。設計者は不明。

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これもすぐ近くにある戦前物件の斯波家。板橋区登録文化財です。

Tokiwap1020931
ところで、ときわ台駅舎の方は、改築工事(取壊し後に元のデザインを再現)が進んでいました。何とも残念です。

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2018.03.25

OSN124岡田の同期生

岡田信一郎の大学時代については、これまで断片的にしか書いてこなかった(木葉会小池駸一などの記事)。
大学時代の同級生についてまとめておく。

【1903年9月-】第1年
市田菊治郎、萩尾菅次郎、橋本勉、岡田信一郎、横浜勉、竹内六蔵、永瀬狂三(留)、倉田謙、山尾三郎、松井貴太郎、本野精吾(9月入学、いろは順)、井手薫(10月以降入学)
*永瀬は明治35年に建築学科に入学し、2回目の1年。

【1904年9月-】第2年
岡田、本野、橋本、松井、倉田、井手、市田、永瀬、横浜
*山尾・竹内は2回目の1年。萩尾は京都帝国大学電気工学科へ。

【1905年9月-】第3年
岡田、本野、倉田、井手、橋本、市田、横浜、松井、永瀬
*山尾は3回目の1年、竹内は2年。

【1906年卒業】
岡田、本野、倉田、井手、橋本、松井、市田、横浜(7月卒業)、永瀬(10月卒業)
*山尾は退学か。竹内は3年に進む(長谷部鋭吉、後藤慶二らと同じ1909年7月卒業)。
以上は、主に『東京帝国大学一覧』による。
Seizu2
建築学製図室(国立国会図書館デジタルライブラリー『東京帝国大学』より)
※1900年刊行なので、これは岡田が入学する以前の写真。

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2018.03.23

OSN123工業大辞書(完)

Order
『工業大辞書』の目録編纂が始まったのは1905年12月頃という(前の記事)。
1905年と言えば、岡田信一郎は大学3年生であり、どこまで関わったのか不明だが、翌年9月、大学院に進む頃には、先輩の大熊喜邦を手伝い、積極的に関わるようになったのではないか。
1908年1月(推測)に記事を分担し、執筆が始まると、前記のとおり岡田も多くの項目を担当している。
(画像はオーダーの挿図)

第1冊(あ~え)の刊行は1908年8月を予定しており、かなり忙しい日程で作業が進められたはずである。
だが、岡田自身も大学院に籍を置きながら、工手学校、東京美術学校、日本銀行、建築学会役員など多くの仕事を抱えていた(以前の記事「卒業後の状況」を参照)。次第に執筆が困難になっていったのではないか。

途中から前田松韻、松井清足、倉田謙らが参加しており、岡田が執筆する予定だった項目を複数で分担したと想像される。

ちょうど第2冊(え~き)が刊行された頃(1909年9月)、岡田は病気で長期療養を要する状態になり、建築学会の役員を辞任している。また、日英博覧会嘱託として洋行する予定であったが、その機会も逃してしまう。
年明けには小田原へ静養に出かけ、3月頃まで過ごしている。同年5月刊行の第3冊(き~け)にある項目(希臘建築など)は、病気で倒れる前に執筆済みだったものだろうか。

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2018.03.21

OSN122工業大辞書(続)

Karutusi
岡田信一郎が執筆した『工業大辞書』の項目を具体的にみてみよう。

(西洋建築の用語)
*拱(アーチ)、アチック、オーダー、カルツーシ(右の画像)
(西洋建築史)
*愛蘭土(アイルランド)建築、アングロ・クラシック建築、アングロ・サクソン建築、アングロ・パラヂアン建築、英吉利(イギリス)建築、希臘(ギリシャ)建築、クラシック建築、ノルマン建築
(西洋の建築家)
*アポロドロス(古代ローマ)、アルベルチ(15Cイタリア)、アレッシ ガレアツオ(16Cイタリア)、イクチノス(古代ギリシャ)
(日本建築の用語)
*合口、足代、足止丸太、足場、阿迫羽目(あぜりばめ)、アテ、歩、嵐打、石敷、石畳、板抉(いたじゃくり)、甍、入子板、齊柱(いんばしら)、内法、腕木、埋土台、裏板、椽座敷、拝打、蟇股(かへるまた)
(日本建築史)
*城堡(じょうほ)建築

語の定義のみで数行程度の短い項目もあるが、イギリスを中心に西洋建築史関連の項目に力を入れているようである。
『工業大辞書』は国会図書館デジタルライブラリーで公開されているので、比較的長く、図版がある項目へのリンクを示しておく。

*拱(アーチ) (第1冊)1909(M42).3刊
*英吉利建築 (同上)
*オーダー (第2冊)1909.9刊
*希臘建築 (第3冊)1910.5刊
*城堡建築 (第5冊)1911.6刊
*ノルマン建築 (第7冊)1913.8刊

ところで、工業の用語を調べたいという一般読者に対して、ガレアッツォ・アレッシの説明がどれほど重要性を持つのだろうか。建築史好きな私(筆者)も、少々疑問に感じる点である。

それはさておき、ここで気が付くのは、岡田が執筆した記事の分布が、前の方に偏っていることである。
あ行、特に「あ」で始まる用語が多く、か行以降は少なくなる。
項目数でいうと、「あ」17、「い」8、「う」4、「え」1、「お」2、「か」2で、後は「き」「く」「し」「の」が各1で、合計38項目となる。

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2018.03.17

OSN121工業大辞書

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明治時代末に刊行が始まった『工業大辞書』という用語辞典がある。若き日の岡田信一郎が同書の項目を執筆しているので、調べてみた。

『工業大辞書』は同文館が企画した『大日本百科辞書』の一部で、収録語は6千以上、4千ページを超える大著である。本文を8冊に分けて、1909年(明治42年)に刊行が始まり、1913年(大正2年)に完結した。

同書の復刻版(本文4巻、索引1巻)を刊行した日本図書センターの公式サイトによれば、「明治期を代表する学者を動員した大型辞典として定評」があり、「工業はもとより陸海軍・外務・文部・鉄道など幅広い分野の執筆人による充実した内容であり、近代史・社会史研究のための歴史用語辞典」であるという。
建築史家の村松貞次郎は、工業大辞書について「理論的には未だ建設期ではあるが反面、生産の現実によく根ざした成果を総決するものである」と述べている。(『近代日本建築学発達史』P401に引用)

まず、本書の建築関連の執筆者を挙げておくと、刊行開始当初(1909年)では以下のとおり。
伊東忠太、関野貞、塚本靖、中村達太郎(以上、工学博士)
内田祥三、大熊喜邦、岡田信一郎、葛野荘一郎、佐藤功一、佐野利器、中村伝治、前田松韻(以上、工学士)

刊行途中で、北村耕造、倉田謙、内藤多仲、松井清足、山崎静太郎(いずれも工学士)が執筆に加わった。

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